sage
2023/05/15 18:44
夏の晩酌
私の郷里は海辺にある小さな港町。夕方になると街角に小さな魚屋がたつ。魚屋のおばあちゃんは、毎朝漁港に魚を仕入れに行き、小さな手押し車にその日とれた魚を満載してやって来る。母は、そこで晩御飯のおかずや父のつまみを仕入れる。よく食卓に上ったのは、焼き穴子と蒸しあげた蝦蛄。多分、値段が安かったからだろうと思うが、今では、どちらも食卓に上らなくなった。海がきれいになり過ぎたせいらしい。父と母は穴子や蝦蛄をつまみに、時折2人でビールで乾杯していた。本当に、映画の中の一場面のような、時間だった。その時間は、今でも私の中の奥底に存在して、穴子や蝦蛄がなくても晩酌のビールの琥珀の中に感じられる。「美味い。」と、思わずつぶやく時の幸せな一瞬は、確かにあの日からつながっている。
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投稿を表示父の日投稿、受賞おめでとうございます(^^)/
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投稿を表示sageさん
優秀賞受賞おめでとう御座います㊗️
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投稿を表示とても素敵なエピソードと美しい文章!!
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投稿を表示文章といいお写真といい、すごく情景が想像できてステキです!
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投稿を表示日曜日のエッセイを読んでいる気分。優しい風が吹いてきたようです。
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投稿を表示美味しいつまみでビ-ルで乾杯いいね!
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投稿を表示当時の記憶がビールを一層、美味しく感じさせますね🍺
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投稿を表示仲の良いご両親ですね🍺