昨日の食後の一杯

王祿
石餅とともに

叶匠壽庵さんの土・日曜日限定の石餅
福徳や縁結びのお寺として広く知られる石山寺は、寺名の起こりとなった雄大な珪灰石の上に西暦747年に創建されました。
平安時代は皇族や貴族の方々が中心でありましたが、平安時代に入り源氏物語が描かれた浮世絵の影響で庶民にも広がり、多くの人々がご利益を求め現在も続く「石山詣」が盛んになり大いに賑わいました。
かつて、明治中頃までにはその岩を模した「石餅」があったと寺僧より聞き及び、身体を清め、力が宿り、石のように固い絆が結ばれるようにと祈念し食した故事を元に、このたびその「石餅」を復元いたしました。
生命力の源であるふたつのお餅の上に、石山寺の象徴である岩に見立てた小豆餡を力強くのせています。
無事息災の願いとともに、大切な方との絆をより一層深める願いを込めて「石餅」を食されば幸いです。

石山の石にたばしるあられかな　　　芭蕉

紫式部をはじめ多くの文学者を魅了したみ寺。
この句を詠んだ松尾芭蕉も「石餅」を味わっていたかもしれません。

叶匠壽庵さんの覚書より