我が家は母より父が台所に立つのが好きで、小さいころからおふくろの味ではなく、おやじの味で育ちました。２０代のころ、彼氏とスキーに行くときに、車の中で食べるおべんとうを作ろうとして、時間がなかった私に父が先回りして二人で食べなさいと作ってくれました。自分が作ったといいなさい、と父。ずうずうしく彼氏に「早起きして作った！」と車中で開けたお弁当には、到底女子の手では握ったと思えない大きな大きなおにぎりが入っていて、すべてが明るみに。そして、その彼氏が旦那様になった今、笑い話に。父の大きな大きな手で握られたおにぎりは本当においしくて、今でも忘れられません。優しいパパ、ありがとう。ずっとずっと元気で。